『心の底から味わい、心の深くに記憶する』
チェンマイでの夜明け。
月、太陽、光、空が織りなす、言葉で表現できないほどの清らかさと美しさ。
持っていたiPad miniで写したものの、実際に目にしたもの、体感したものをデバイスでとらえることは全くできない。
このような体験をしたあとに、田坂広志さんの言葉を思い出す。
我々は、美しい風景を見るとき、
しばしば、夢中になって、
それを写真やビデオに残そうとします。しかし、そうして一生懸命に
その景色を記録したあと、
ふと、気がつきます。
心の底から、味わい、
心の深くに、記憶する。
そのことを忘れてしまったことに、
気がつくのです。
この一瞬を、未来へ残そうとするあまり、
この一瞬を、心に残すことを忘れてしまう。
それは、
記録という営みと
記憶という営みの狭間にある、
密やかな陥穽なのでしょう。
ココロでカラダで自然の美しさ、清らかさ、余韻をも味わい尽くす。
そんな大切なことを教えてくれる文章だ。
いま、ここを生きる、ということなのかもしれない。